加齢臭は自分でわかる?科学的に「におい」を測定するプロセスとセルフチェック法
年齢を重ねると「もしかして、自分、加齢臭がしてる?」と気になる瞬間があります。
でも、自分ではなかなか臭いの有無や強さを判断しにくいもの。
本記事では、科学的に加齢臭を測定するプロセスと、自宅でできるセルフチェック法を詳しく紹介します。
■ 加齢臭の正体とは?どんな臭いなのか
加齢臭とは、主に皮脂の酸化によって発生する特有の臭い。
中でも原因物質とされるのが、**「ノネナール(nonenal)」**という成分です。
ノネナールは40代以降、特に男性の皮脂腺で多く生成される傾向がありますが、最近では女性のホルモンバランスの変化でも発生することが分かっています。
このノネナールは、「古い油+青臭い+金属っぽい匂い」が混ざった独特な臭い。
人によっては「枯草のような臭い」や「古い衣類の匂い」と表現されます。
■ 加齢臭は自分で気づきにくい理由
自分の加齢臭に気づきにくいのは、「嗅覚疲労(きゅうかくひろう)」が起こるためです。
同じ匂いを長時間嗅ぎ続けると、脳がその臭いを“無視”するようになるのです。
そのため、加齢臭が強くても「自分では全く気づかない」というケースが多くあります。
つまり、科学的に測定することが最も客観的な方法なのです。
■ 科学的に加齢臭を測定する3つのプロセス
現在、専門機関や大学の研究でも用いられている「加齢臭測定プロセス」は、主に以下の3ステップで行われます。
① 皮脂サンプルを採取する
加齢臭の原因は皮脂に含まれる脂肪酸の酸化。
そのため、まずは皮脂を採取します。
採取方法:
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額、首の後ろ、耳の後ろなど、皮脂の分泌が多い部分をガーゼで軽く拭き取る
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このサンプルを密封容器に保存
この皮脂に含まれるノネナールや2-ノネナール、脂肪酸量を後で分析します。
② ガスクロマトグラフィー分析(GC-MS分析)
次に、化学的に皮脂中の成分を分離・定量する分析法「GC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析法)」を使用します。
この装置では、皮脂中に含まれる揮発性成分を分離し、ノネナールの濃度を数値化できます。
これにより、「どの程度加齢臭があるのか」を**科学的な数値(ppb単位)**で把握可能です。
💡参考:
一般的に、ノネナール濃度が1.0ppbを超えると加齢臭が強いレベルとされます。
③ 官能評価(においの専門パネルによる嗅覚評価)
最後に行われるのが、人間の嗅覚を使った「官能評価」です。
複数の専門パネル(においの専門家)がサンプルの臭いを評価し、強度・質・印象をスコア化します。
この結果を科学分析のデータと照合し、総合的な加齢臭の強度が算出されます。
■ 自宅でできる!簡易的な「加齢臭セルフチェック」
科学的な測定が難しい場合でも、自分でできるチェック方法があります。
✔ 枕・シャツの襟・スーツの内側を嗅ぐ
毎日使っている布に臭いが染みついていないかを確認。
古い油・金属・納豆っぽい臭いがしたら加齢臭のサイン。
✔ 家族やパートナーに率直に聞く
一番確実でシンプルな方法。
特に首の後ろ・耳の後ろ・頭皮あたりを指摘される場合は、要注意。
✔ 加齢臭測定シートを使う
市販の**「皮脂臭チェッカー」「におい判定シート」**を使えば、
自宅で簡単に加齢臭の強弱を測定できます。
(例:酸化皮脂に反応して色が変化するタイプなど)
■ 科学的測定+セルフケアで臭いをコントロール
加齢臭の測定で数値が高かった場合も、日常の習慣を変えることで軽減可能です。
◎ 有効な対策
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ボディソープ: 皮脂酸化を抑える柿タンニン・緑茶エキス配合タイプ
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食生活: 揚げ物・アルコール・糖質過多を控える
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運動: 汗をかくことで皮脂の酸化物を排出
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衣類ケア: 洗濯時に重曹や酸素系漂白剤を併用
科学的な分析と生活改善を組み合わせることで、臭いの元を根本から減らすことが可能です。
■ まとめ:加齢臭は「科学」で見える化できる時代
これまで「なんとなく気になる」「他人から指摘されるまで分からない」だった加齢臭も、
今では科学的に測定し、数値で確認できる時代です。
加齢臭は「年齢のせい」ではなく、皮脂の酸化バランスと生活習慣の結果。
早めに測定して、データに基づいたケアを行うことで、
「清潔感のある印象」「若々しい香り」がキープできます。